
はじめに

冷えは、女性の一生と深くつながっています。女性の体は、年齢やライフステージによって本当にたくさんの変化が訪れますよね。
20代では生理不順や生理痛。
妊娠を意識しはじめる30代では妊活の悩み。
そして40代になると、ホルモンの揺らぎによる更年期のような症状。
私自身、20代の頃に婦人科のトラブルがあり、30代で妊活に苦しみ、40代に入った今は体調の変化をひしひしと感じています。でも、そのすべての時期で助けになってくれたのが、「冷えとり」でした。
冷えとりは、妊活のためだけではなく、40代以降の女性にとっても本当に大きな味方になります。
ゆるく続けるだけでいい。
むずかしいことをしなくてもいい。
ちょっとの習慣が、自分の心と体をしっかり支えてくれるのです。
今日は、私の体験をまじえながら、妊活期〜40代女性に役立つ「冷えとり」のお話をたっぷりしていきますね。
女性が「冷え」に弱い理由
まずは、女性がそもそも冷えやすい理由からお話しします。
これを知ると「冷えとりが必要なのは特別な人だけじゃないんだ」と、きっと腑に落ちると思います。
- 女性ホルモンの揺らぎで体温調整が乱れやすい
女性の体は、月経周期によってホルモンの量が変動します。エストロゲンとプロゲステロンのバランスが変わるたびに、自律神経が影響を受け、寒くないのに手足だけ冷える、お腹や腰だけ冷たい、身体の芯が温まらないといった状態になりやすいんです。
とくに妊活中や40代のプレ更年期では、ホルモンの揺れ幅が大きくなるため、冷えが強く出る人が多いようです。
- 筋肉が少なく、熱を作る力が弱い
筋肉は「熱を生み出す工場」。女性は男性より筋肉量が少ないため、体の中でつくれる熱が少ないのです。そのため、デスクワークが多い、運動不足、冷たい飲み物をよく飲む etc… こうした生活習慣が続くと、どんどん冷えが進みます。
- 子宮・卵巣は“冷え”にとても敏感な臓器
子宮や卵巣は、心臓のように強く動いて血流を引き込む臓器ではありません。だからこそ「全身の血流」に影響を受けやすいのです。
冷えがあると、
・子宮内膜が厚くなりにくい
・卵胞の育ちが悪くなる
・生理痛が重くなる
・PMSが悪化する
・妊娠しにくくなる
といった影響が出やすくなります。
これは妊活だけでなく、40代以降の婦人科トラブルにも大きく関わってきます。
【体験談】約20年に渡るゆる〜い“冷えとり”ライフ
ここで少し、私の話をさせてください。
20代前半、突然不正出血が続くようになり、はじめて婦人科を受診しました。
そのとき言われた診断は、
「子宮筋腫がありますね」
「卵巣にチョコレート嚢腫もありますよ」
というものでした。
当時は婦人科のことをほとんど知らず、
「手術する必要があるのかな?」
「将来、妊娠できるのかな?」
と、不安で胸がいっぱいになりました。
詳しい説明を聞く心の余裕もなく、自分の身体に何が起きているのか理解できないまま、家に帰ったのを覚えています。
冷えとりの本との出会い
不正出血や冷房で冷えたら、下腹部が痛くなっりする症状が続き、不安を抱えたまま、「なにかできることはないのかな?」と本屋に立ち寄った日のこと。
そこで偶然手に取ったのが、進藤義晴さんの『新版 万病を治す冷えとり健康法』でした。
この本が、私のライフスタイルをゆっくりと変えていくきっかけになりました。その本に書かれていた冷えとりの方法は、とても簡単でやさしいものでした。
- 靴下をゆるく重ねばきする
- 半身浴で体を温める
- 体を冷やさない食べ方を心がける
20代の私でも無理なくできるものばかりで、「これなら続けられそう」と思えました。
体内の毒素が出てくる「めんげん」
実際に“冷えとり”をはじめてみると、体に少しずつ変化が出てきました。幼少期からあったアトピー性皮膚炎の症状が顔と腕にたくさん出はじめました。夜も痒くて寝られない日が続くほど体内の毒素が出てきました。「めんげん」は2年ほど続き、泣きたくなるくらいつらいものでしたが、繰り返し本を読んで理解を深めて乗り切ることができました。
29歳、妊活スタート
結婚したのは29歳。
自然と「そろそろ子どもが欲しいな」と思うようになりました。
基礎体温を毎日測り、タイミングを合わせ、婦人科でもタイミング法を試しました。
でも、なかなか授かりませんでした。
「何も悪いところがないのに、どうして…?」という気持ちが、だんだん焦りに変わっていきました。
妊活って、結果が出ない時間がいちばんつらいんですよね。クリニックでは半年経ったらすぐにステップアップを勧められましたが、私は体外受精に踏み切れずにいました。気持ちがついていかない、失敗した時のショックが怖い、金銭的な負担、身体への負担など、理由はいろいろありました。
でも今思えば、あのときの私はいっぱいいっぱいで、焦りで心が疲れていたんだと思います。
私が選んだのは“身体を整える”という道
悩みに悩んだ結果、私は一度不妊治療から離れてみることにしました。
代わりに選んだのが、
身体を整えることに集中する という道でした。
- 冷え取りを丁寧に続ける
- 半身浴で深くリラックスする
- 生姜紅茶で内側から温める
- 鍼灸で自律神経を整える
やっていることは小さなことばかりでしたが、“私は今、自分のためにできることをしている”という気持ちが心の支えになりました。妊活で疲れた心を、そっと癒してくれる時間でもありました。
“冷えとり”ライフを続けて、実感した効果もたくさんあります:
- 手足の冷えが軽くなる
- 生理痛がやわらぐ
- 寝つきがよくなる
- 疲れにくくなる
33歳、自然妊娠
妊活をはじめて数年。不妊治療はせず淡々と冷えとりを続けていたある日。
妊娠検査薬の陽性反応を見た瞬間に感じた喜びと安堵は、一生忘れないと思います。
私が冷え取りをゆるく長く続けているのは、身体があたたかくなると、心が安定して、全体のバランスが整っていく
という実感があるからです。
40代、プレ更年期
出産して十数年。気づけば私も40代に入りました。最近は、「昔と体が違うな」と感じることが増えていきます。
- 眠りが浅い
- イライラしやすい
- 体がむくむ
- 手足が冷たい
- 生理周期が乱れる
これらの症状は、まさにプレ更年期によくあるもの。そして冷えがあると、不調はさらに強くなりやすいです。
ここでも役に立ったっていると感じるが、やっぱり冷え取りです。
ゆるい冷えとり習慣 5つ
私が今も続けている、簡単でおすすめの冷えとりをご紹介します。
- 生姜紅茶を1杯
生姜は“温め食材”の代表。
紅茶と組み合わせると、体がじんわり温まります。
- 半身浴でゆっくり温まる
忙しい日は10分でもOK。できれば、20分以上浸かると汗がじわじわ出てきます。
寝つきが全然違います。
- 靴下の重ねばき(無理のない範囲で)
シルク+綿の組み合わせがおすすめ。
- 朝の白湯
冷えた内臓がゆっくりと目覚めます。
- お腹と腰を冷やさない
腹巻き・カイロ・湯たんぽなどお好きな方法で。
冷えとりは、妊活にも更年期にも“生涯の味方”になる
20代の私は、ただ「妊娠できる体になりたい」と思って冷えとりをはじめました。30代の時は、子育てに一生懸命で体調を崩したり、ヘルペスになった時期もありました。40代の今は、ホルモンの揺らぎの中でも穏やかに過ごしたくて続けています。年代が変わっても、目的が変わっても、冷えとりライフはゆるーく続けています。
まとめ
妊活で悩んでいる方も、40代のゆらぎに不安がある方も、婦人科系のトラブルを抱える方も。
ぜひ今日、ひとつだけ“温めること”をしてみてください。生姜紅茶でも、半身浴でも、白湯でも。小さな一歩でじゅうぶんだと思います。どなたかの参考になればうれしいです!

今よりもっとあたたかく、軽やかな毎日になりますように ♡